web版 図書館しが 第246号 令和7年(2025年)2月 編集・発行:滋賀県立図書館 県立図書館 建築探訪 滋賀の文化的伝統と風土性を組み入れ、文化の香りあふれる県民の図書館となることを願って建てられました。 昭和55年(1980年)、県立図書館は鉄筋コンクリート造2階建ての本館と2階建3層の書庫棟で再スタートします。日建設計の案が選ばれ、1年の工期と約13億の工費をかけた壮大な建物でした。 緑青仕上げの銅板葺きの大屋根、さらに、周囲にめぐらされた回廊を見た職員のなかには、寺院を連想した人もいました。設計者は滋賀県が文化財の宝庫であることから着想を得たのでしょうか。 設計概要によると、中央ロビーを吹抜けにして一体感が感じられ、また、天井からの自然採光や信楽焼陶板レリーフなどを設けることで、明るく、親しみが持てて格調高い空間を作ろうとしました。一般資料室や参考資料室は眺めの良い2階に配置し、内装には信楽焼タイルやクルミ材の室内壁、大理石の丸柱、花崗岩の床を用いたと、書かれています。 蔵書が増えてくると、既存の書庫では収容しきれず、平成3年に地下4階の書庫棟を増築して、約148万冊の図書を収容できる ようにしました。 [図書館内のブロンズ像(写真)]「湖風」山田良定作 滋賀県出身の彫刻家 同名のブロンズが札幌市の大通り公園にあり、昭和50年(1975年)の日展で特選を受賞。 湖国の本棚 『喫茶スイス 1972-2022』 川井操編著 あしがる出版 2024年7月刊 (3,200円+税) 2022年5月、彦根市の名店・喫茶スイスが50年の営業に幕を閉じました。閉店前の1カ月は連日長蛇の列となり多くの人が別れを惜しみました。 本書は滋賀県立大学准教授川井氏が旧知の写真家と共に創った写真集です。川井氏は大学生時代からの常連客でした。写真の他には川井氏による店主伊藤夫妻へのインタビュー、ゆかりの人々によるエッセイで構成されています。「私たちの記憶の中にあるスイスを繋ぎとめる役割を担えれば」川井氏の思いは最後のページをめくるまであふれています。 郷土資料紹介 令和6年8月~10月購入・寄贈分より 書名、著者、出版社、出版年、請求記号の順に記します。 現場の博物館学を楽しむ 人文知の発見と成長 用田政晴∥著 神戸学院大学出版会 2024.9 S-0621- 24 井伊直興と永源寺南嶺慧詢 企画展 彦根城博物館∥編集 彦根城博物館 2024.8 S-2851- 24 明治初期の滋賀の教育 近代教育成立史 木全清博∥著 文理閣 2024.11 S-3700- 24 道徳科の指導の充実を願って 一ノ宮賢了∥著 一ノ宮賢了 2024.9 S-3762- 24 データサイエンスの基本 この1冊ですべてわかる 滋賀大学データサイエンス学部∥編著 日本実業出版社 2024.9 S-4151- 24 びわ湖のプランクトン フォト&ムービー 石上三雄∥著・一瀬諭∥著・大塚泰介∥著 文理閣 2024.6 S-4680- 24 琵琶湖の魚類図鑑 藤岡康弘∥編・川瀬成吾∥編・田畑諒一∥編 サンライズ出版 2024.8 S-4880- 24 琵琶湖集水域の環境メタロミクス 原田英美子∥編 アグネ技術センター 2024.8 S-5180- 24 中山道浪漫の旅 西編 改訂版 岸本豊∥著 信濃毎日新聞社 2024.9 S-6800- 242024.9 近江ゆかりの書画 古写経から近代の書まで 日本習字教育財団観峰館∥編集・滋賀県立琵琶湖文化館∥編集 日本習字教育財団観峰館 2024.9 S-7242- 24 詩集 風のいろ あだちリリー∥著 サンライズ出版 2024.7 S-9311- 24 ムレイハ 古代アラビア海洋キャラバン王国シャールジャの遺宝 Miho Museumシャールジャ考古局∥編集 Miho Museumシャールジャ考古局 2024.7 SB-7033- 24 ホームページの新刊図書案内にて郷土資料の新着図書のリストをご覧いただけます。